Sea to summit 富士山への挑戦!最終章!

どんどこ行くどー、プリンスルート。本来の村上古道なら、そのまま富士宮口から登るのが正解でしょうけど、まぁ本隊がプリンスルートに行っていることと、富士宮ルートは、前に石井さんとも登っているので。


宝永第一火口のベンチ!そうだ、ここに秀平の防寒着が。どこだ??


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お!有った!さすがは隊長。秀平の父。愛が溢れています。ちゃんとあまり人目につかないところ。でも、探せばわかるところにしまってありました。有難い。どんどこ行こうぜ!



が、ここから馬の背までがアリジゴク三歩進んで二歩下がるわけではありませんが、足を踏み込むとぐっと下がります。コースタイムは1時間。ここ40で抜けるぞ!と声を掛けつつも、秀平の足が上がりません。そうだよなー、荷物デポしたって言っても、まだ10kgはある。靴もズックだし相当疲れてるだろうな。と思い、「荷物担ごうか?」と声を掛けると烈火のごとく。彼にとって、このザックは日本を一周してきた大切な相棒。軽々しく俺が担げるもんじゃありませんでした。




アリジゴク終盤には、上から人影が。砂走り的な道なので下りは早いはずでしたが、どうやらひざを痛めたそう。まだ、ここからだいぶあるんだよなー。6合目で泊まった方が良いと思うけど本人は富士宮まで何としても帰ると。ちょっと気を間際らせようと、「僕たち、田子の浦から上がってきたんですよ!」というと、「ほほう、私は埼玉の大宮から」っておいおい、出身地じゃねーよ笑


お互いにご安全に!と声を掛けて、アリジゴクを脱出するとそこは天国。乗越の向こうに富士吉田の景色が広がり、振り返ると夕焼けが本当にきれいでした。月もきれいだ!秀平は、感動してカメラと三脚をごそごそ取り出し、撮影隊の始まり。あんまりのんびりしたくないけど、秀平も40分で上がってきて相当疲れているだろうから、写真撮りながら体力回復させよう。




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宝永山も行きたかったけど、すでに夜の帳が下りてきて、私たち以外にはほとんど人影も見えません。先を急ごう。馬の背から登り路で7合目へ。途中、何人か足を引きづっている人とすれ違った。声を掛けても帰ってこないところ見ると外国人か。他にも軽くあいさつを交わしながら私たちは登っていきます。



7合目手前のブルトーザー道分岐付近で、秀平が声を掛けられる「単独で足を引きずって歩いている人を見ませんでしたか?」。あー、さっきあいさつだけした人だ。秀平は大宮出身の彼と勘違いしている。話を聞くと、足を痛めてこれから帰るというので、ヘッドランプは?と聞くと、持ってないというので、貸してあげたがその後が気になって降りてきたという。ずいぶん、律儀な方だ。「何とか歩いてましたよ」。と伝える。


さあ、赤石八号館まではあとちょっと。営業を停止した山小屋を右目に見ながらどんどんと標高を上げていきます。道があるってこんなに安心!夜でも、ぜんぜん怖くない笑




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須走館が見えたころから、赤石八号館が目に入ります。数人が見下ろしているのも見えてきましたおーい!俺たちはここにいる!!って手を振っても見えないか。



すでに山小屋に入っている本隊からは、今どこだ?の電話。有難い。カレーとビールをリクエスト。絶対取っておいてね。ゆっくり行きたいオーラ全開の秀平を叱咤激励しながら、一歩一歩。あ、山小屋のみんなも気付いたみたい。ヘッドランプの灯りがこちらへ向かってきますんー、感無量。ちょっと泣けてきた



そして、「おー!ようやく来たか!!」出迎えてくれた本隊の仲間たち、おっさん同士のハグって、暑苦しいんだけど、キライジャナイヨ。みんな待っててくれたんだね。もう消灯しちゃってるから中でも飲めないでしょう?オレも、前に山小屋で遅くまで飲んでて怒られたよ


ありがとう。本当にありがとう。



取っておいてくれたビールを飲み干し、カレーを食う。うまい!そういえば、ビールの缶にぼろぼろのキッチンペーパーが巻いてあった。こんなのはがして来いよとも実は思ったが、後で聞くと山小屋の人が外に出しておくとあったまっちゃうからと、せめてもの断熱にと巻いてくれたんだそう。嬉しいなぁ。



カレーも、しっかりお替りさせていただきました。ここで、標高3300くらい。今日一日の行動時間13時間。高低差2700



まだ、興奮冷めやらぬ中明日は2時出発なので、話もそこそこに就寝。とはいえ、もう1030分くらいだったのかな?






すぐに寝よう!と言われてもなかなか寝付けぬ。隣を見ると、秀平が可愛い顔して寝てんじゃん。そういや、こいつまだ21なんだよなーと感慨にふけっていたら気がついたら寝てた。「おい、行くぞ」修さんに起こされて起床。130分くらい?

おお!もう行く時間だ。周囲はごそごそと準備を始めています。布団をたたんで、出立準備。とはいえ、昨日転がり込んで、着替えは済ませていたので、改めて靴ずれの箇所を養生して、靴を履くくらいかな。


よいよ、山頂に向かって出発です。そういや、水がないなぁ。と思いましたが、アクエリアス一本あるから陽が出れば山小屋も開くだろうと、出発。いつもの山行もしんがりなので、しんがりやるかな



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夜中だというのに、いろんな人が歩いています。大学のサークル、訪日外国人、おっさん、おばさん、子どもまで。追い越し、追い越されながらちょっとずつ声がけしてゆっくりと登ります。昔、ツアーを組んで富士山を登った時、高山病に悩まされた経験から血中酸素濃度計を携行するようにしています。平常時を図っておくと、血中酸素の欠乏具合がよくわかります。



ひとり、おなじパーティでスピードダウンしている方がいたので、ちょっと計ってみると血中濃度は60~65%。山小屋を出る時には88~90%程度だったので、だいぶ息が上がってます。「もう無理。動けない」と言われてもおかしくないレベル。頑張ってんだろうなぁ。みんなに迷惑かけられないと思ってんだろうなぁ。。なので、彼女のリードを努めました。彼女のペースに合わせて一歩先を行き、なるべくゆっくり一歩一歩。呼吸をあえて大きく聞こえるように吸って吐いて。だんだん彼女も呼吸の仕方が分かってきたようで、声を出して呼吸しています。なんだか、この頃、お袋と歩いたらこんな感じなんだろうなぁって。ヤバい。また泣けてきた。





いいぞー!山頂はもうすぐ



山は、きつくなってくると聞こえてくる声があります。私の勝手に認定9番目のアニキ小林創さんと初めて南アルプスのエキスパートルートへ行ったとき。「しげ―!大丈夫か―」「もうだめでーす」「山はどんな時でも一歩一歩!」。この「一歩一歩」が聞こえてきます。今回の山行にも何度聞こえてきたことか笑



さ、最後の直登!一歩一歩。よっしゃー!上がったどー!!

ここで、標高3700mって感じかな。



良かった~!本当に良かった。ここまで来れて本当に、良かった。みんな無事に、全員で目的を達成できた!嬉しい反面、これで終わりか―的な気持ちも入交り、何とも不思議な気分。




ご来光も、とても素敵でした。



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山頂で飲んだわかめスープ。しょっぱかったなぁ。でもうまい



一人ひとりと嬉しさを分かち合い、みんなで、集合写真を撮って、こんなに幸せでいいんだろうか。ふと家族会社のことに想いを馳せる。みんなが行かせてくれなかったら、こんな思いはできなかった。オレは幸せもんだなぁ。と。




いつか、会社のスタッフみんなで来てみたい子どもたちも改めて連れてきてみたい。そんな新しいが沸き上がってきました。




とは言え、まだミッションは残っています。お鉢巡りをしない人と、する人と手分けして、お鉢巡りを反時計回りに。最後に、剣が峰です。お鉢巡りは、結構好きなんだよなー過去につらい思いで歩いたこともあったけど、今日は体が軽い!富士吉田口の雑踏でイライラしながらも、変わりゆく景色を楽しみました。お!影富士だ!!



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良いなぁ。やっぱり富士山もいい山だ。ぐるっと歩いて、いよいよ剣が峰。剣が峰の石柱に海水を戻そうと思いましたが、こっちの方が標高高いだろって突っ込まれ、剣が峰の三角点の奥の方。ちょっと溶岩の盛り上がった部分に海水を掛けます。あー、ようやく手放せる




思えば、なんで海水なんて担いでんだっけなって程。二日目の4合目付近で水が足りなくなり、ザックにはまだ1Lの水があるのに、それは海水。飲めねーじゃねーか!って切れたなぁ笑。何度捨てちまおうかと思ったことか。担げてよかった




今回の旅のバディの秀平と固く握手を交わして、記念撮影。ヤバい泣きそう。その周囲にいた人たちも拍手で迎えてくれました。有難い。


そしてもう一つのミッション。会社の社旗を山頂で掲げる!ここはやっぱり秀平と撮りたいな。忍者コスチュームのボランティアの方に写真を撮って頂いた。ありがとうございます。



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あ、そうだ。富士講の最後には、廃仏毀釈で破壊された石仏の寄せ墓地にも、海水を注ぎたい。ガードマンに聞いても、知らないという。山小屋の方に聞いてもらっても知らないっておいおい。そこにあるじゃん


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残りの海水をお供えして、旅の無事をお礼しました。




そこからは、8合目赤岩八号館へ戻り、朝食に目玉焼きとハムと昆布の漬物。ごはんがうまい!!




雲海が広がってしまっていて、田子の浦は見えないけれど、すげー距離を歩いたなぁ。正直今回ほど、富士山の5合目から上が楽だと感じたことはなかったです笑




この先の道中もいろいろありましたが、すでに17文字を超えてしまったので、またいつか

とは言え、この夏の大冒険も無事に終了することが出来ました。とても不安とワクワクの入り混じった感情で迎えた初日。富士山の大きさを改めて知るとともに、仲間の大切さや、自分がいかに恵まれているかを知りました。八号館でみんなに会えた嬉しさと云ったらなかった。本当に嬉しかった。ズルしてタクシー乗らなくてよかった笑



こんにちはとあいさつを交わしただけのも、いろいろ情報をくれたも、労わってくれた、驚嘆してくれた、心配してくれた、温かく迎えてくれた、一緒に励ましあった、すべてのに感謝です。



そして、お袋への感謝と、石井さんへの感謝も伝わったかな。こんな自分を生んでくれてありがとうだし、こんな自分を可愛がってくれてありがとうです。あと、自分へも感謝かな。よく頑張った(^_-)-☆


長文最後までお付き合いいただきありがとうございます!!!!



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